投げ釣りの基本
投げ釣りの基本
投げ釣りは、仕掛けを沖に投げて、海底付近にいる魚を狙う釣り方です。砂浜や堤防から広い範囲を探れるのが特徴で、キス・カレイ・ハゼといった底物(そこもの)と呼ばれる魚がメインターゲットになります。
投げ釣りには、軽い仕掛けを手軽に投げる「ちょい投げ」と、専用タックルで100m以上の遠投を目指す「本格投げ釣り」があります。この記事では、両方の違いを明らかにしつつ、初心者でもすぐに始められるちょい投げから解説していきます。
ちょい投げ vs 本格投げ釣り
| 項目 | ちょい投げ | 本格投げ釣り |
|---|---|---|
| 飛距離 | 20〜50m | 80〜200m |
| 竿 | 万能竿・ルアーロッド(2〜3m) | 投げ専用ロッド(3.6〜4.25m) |
| リール | スピニング2500〜3000番 | 投げ専用リール(大型スピニング) |
| オモリ | 5〜15号 | 25〜35号 |
| 難易度 | 初心者向け | 中〜上級者向け |
| 予算 | 5,000〜15,000円 | 30,000〜100,000円 |
| こんな人向け | 手軽に底物を釣りたい | 遠くのポイントの大物を狙いたい |
TIP
投げ釣りの仕掛け
投げ釣りの仕掛けは、大きく3つのパーツで構成されています。
天秤(てんびん)
道糸と仕掛けをつなぐ金属製のアームです。天秤の役割は、オモリと仕掛けを離すことで、糸絡みを防ぐことです。
主な種類は以下の通りです。
- L型天秤: 最もポピュラー。L字型の金属アームにオモリが付いている。ちょい投げの定番
- ジェット天秤: 天秤とオモリが一体型。飛行姿勢が安定し、飛距離が出やすい。根掛かりも少ない
- 片天秤: 片側だけのシンプルな天秤。感度が高い。本格投げ釣りで多用
TIP
オモリ
仕掛けを沈めて、海底に固定する役割のパーツです。天秤一体型の場合は別途用意する必要はありません。
- ちょい投げ: 5〜15号(軽い方が扱いやすい)
- 本格投げ: 25〜35号(飛距離を出すために重くする)
オモリの号数は竿の適合オモリ範囲内で選びます。適合範囲を超えるオモリを使うと、竿が折れる原因になります。
ハリス仕掛け
天秤の先に付ける、針とハリスのセットです。投げ釣りでは2〜3本の針が付いた「多点掛け仕掛け」が一般的です。
- 針数: 2〜3本(初心者は2本が絡みにくくおすすめ)
- ハリス: フロロカーボン1〜2号
- 針の種類: 流線針(キス向け)、丸セイゴ(万能)、カレイ針(カレイ向け)
- 全長: 60cm〜1m程度
WARNING
ちょい投げの手順
サビキ釣りやウキ釣りとは異なる、投げ釣り特有の手順を解説します。
準備と投入
竿にリールをセットし、道糸をガイドに通したら、天秤と仕掛けを接続します。針にエサ(アオイソメが定番)を付けたら、いよいよキャストです。
キャストの基本は「キャスティングの基本」の記事で詳しく解説していますが、投げ釣りで特に意識すべきポイントがあります。
投げ釣りのキャスティングのコツ
1. 振りかぶる前に仕掛けの絡みを確認する
投げ釣りの仕掛けは長いため、キャスト前に天秤・ハリス・針が絡んでいないか必ず確認しましょう。絡んだまま投げると、飛距離が出ないだけでなく、仕掛けがダメになります。
2. 垂らしを長めに取る
ちょい投げの場合、竿先から天秤までの垂らしを1m〜1.5m程度取ります。垂らしが短いと、仕掛けの重さを竿に乗せにくく、飛距離が出ません。
3. 力まずコンパクトに振る
ちょい投げは「飛ばす」ことが目的ではなく、「狙ったポイントに正確に落とす」ことが大切です。7割程度の力でコンパクトに振り、竿のしなりで飛ばすイメージを持ちましょう。
4. 着水後にラインを張る
仕掛けが着水したら、余分なラインのたるみをリールで巻き取り、道糸をピンと張ります。ラインがたるんでいるとアタリがわからず、魚が食っても気づけません。
WARNING
アタリの取り方と合わせ方
投げ釣りでは、竿先の動きでアタリを判断します。
置き竿の場合
竿を竿立て(ロッドホルダー)に立てかけて、アタリを待つスタイルです。カレイやハゼなど、あまり動かない魚を狙うときに適しています。
- 竿先がグイッと引き込まれる: 魚が食って走ったアタリ。竿を持ってアワセを入れる
- 竿先が小刻みに揺れる: エサを突いている段階。まだ待つ
- 竿先がフッと戻る(食い上げ): 魚がエサを持ち上げた。竿を持ってアワセる
手持ちの場合(サビキング)
竿を手に持ち、仕掛けをゆっくり引きずりながらアタリを探るスタイルです。キス釣りではこの「サビキング(引き釣り)」が主流です。
- 仕掛けを投入後、10〜20秒に1回、リールを1〜2回転させてゆっくり引く
- 引いている途中にブルブルという振動が伝わったらアタリ
- そのまま竿を立ててアワセ、追い食い(他の針にも魚が掛かること)を待ってから巻き上げる
TIP
ターゲット別の狙い方
キス(シロギス)
投げ釣りの代表的なターゲットです。砂地の海底を好み、5月〜10月がシーズンです。
- エサ: イシゴカイ(ジャリメ)が最適。アオイソメでも可
- タナ: 海底ベタ底
- 狙い方: サビキング(引き釣り)で広く探る
- ポイント: エサは小さめに付ける(2〜3cmにカット)。キスの口は小さいため
カレイ
冬の投げ釣りの主役です。11月〜3月がシーズンで、特に12月〜2月が最盛期です。
- エサ: アオイソメの房掛け(2〜3匹)。大きめのエサでアピール
- タナ: 海底ベタ底
- 狙い方: 置き竿でじっくり待つ。カレイは動きが遅く、エサを見つけるのに時間がかかる
- ポイント: 30分〜1時間に一度、仕掛けを回収してエサを付け替える。新鮮なエサの匂いが重要
TIP
ハゼ
秋の手軽なターゲットです。河口や港内の浅い場所にいるため、ちょい投げで十分届きます。9月〜11月がシーズンです。
- エサ: アオイソメ(1〜2cmにカット)。パワーイソメでも釣れる
- タナ: 海底ベタ底
- 狙い方: ちょい投げで近距離を探る。サビキングも有効
- ポイント: ハゼは好奇心旺盛で食欲旺盛。エサがあれば高確率で食ってくる初心者向けの魚
根掛かり対策
投げ釣りで最も悩ましいのが「根掛かり」です。海底の岩やテトラポッドに仕掛けが引っかかってしまう現象です。
予防策
- 砂地のポイントを選ぶ: 根掛かりの原因は岩礁帯。砂地なら根掛かりはほぼ起きない
- ジェット天秤を使う: 引き上げ時に浮き上がりやすい形状で、根掛かりを回避しやすい
- 仕掛けを引きずりすぎない: ゆっくりとした巻き上げで、障害物を感じたら竿を上げて回避
根掛かりしてしまったら
- ラインを張った状態で竿を左右に振り、角度を変えて外そうとする
- ラインを手で持ち、真後ろにゆっくり引く(竿で引っ張ると竿が折れる)
- どうしても外れなければ、ラインを手にタオルを巻いて引っ張り、ハリスを切る
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投げ釣りの便利アイテム
竿立て(ロッドホルダー)
置き竿スタイルで必須のアイテムです。堤防に立てかけるタイプと、砂浜に突き刺すタイプがあります。竿が海に引き込まれるのを防ぐため、尻手ロープ(竿と手すりをつなぐロープ)も合わせて使いましょう。
仕掛け巻き
使いかけの仕掛けを巻いて保管するアイテムです。仕掛けが絡むのを防ぎ、次回も使えます。
力糸(ちからいと)
本格投げ釣りで使う、道糸と仕掛けの間に入れるテーパーライン(先端が太く、元が細い糸)です。キャスト時の衝撃で道糸が切れる「高切れ」を防ぎます。ちょい投げでは不要ですが、本格的に遠投するなら必須です。
まとめ
投げ釣りの基本をおさらいします。
- ちょい投げは手持ちのタックルで始められる手軽な釣り
- 仕掛けは天秤 + オモリ + ハリス仕掛けの3パーツ構成
- キスはサビキング(引き釣り)、カレイは置き竿で待ちの釣り
- エサはアオイソメが万能。キスにはイシゴカイが特に有効
- 砂地のポイントを選べば根掛かりのリスクを大幅に減らせる
砂浜でのキス釣り、堤防でのハゼ釣り、冬の港でのカレイ狙い。投げ釣りは季節ごとに違った楽しみ方ができる釣りです。まずはちょい投げで近場のポイントを探ることから始めてみてください。
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